現代に伝わる、ピキドゥキのものがたり

むかし、むかし、そのまたむかしのものがたり。

青い海に囲まれたこの島の、北の果て、
深い深い森の奥深く、朝の光が一番に差し込む場所に、
ピキドゥキと呼ばれる人々が、新しい暮らしを求めてやって来た。

ピキドゥキは、森を切り開き、畑を作り、草木で染め物をした。
太陽と山をあがめ、精霊と共にいのちを育んだ。

それまで決して人をよせつけることのなかった森の中に、
あたたかな光が灯り、こどもたちの笑い声が響いた。
つつましやかで穏やかな人々の暮らしがひろがった。

この土地の深い森は、様々な動物や植物の住み家であり、
この島の人々に恵みをもたらす水がめを生み出した。

その水がめをたたえるのはやんばるの山々。
ピキドゥキの魂はその山に宿り、今も変わらず人々の暮らしを見守るという。
精霊に守られる土地のものがたりの続きには、あなたが訪れる経験が待っている。

ピキドゥキのものがたりが残る村、東村

YANBARU EXPERIENCEの舞台、東村のウコール山

現在はダムとなっている山の谷間の奥に、その昔、ピキドゥキが住み始めた場所とされる山々が広がる。ダムができ、一般の人が入ることができなくなったため、ぽっかりと時間の流れが止まってしまったかのような、現代の日本に残る亜熱帯の秘境となっている。いつしかウコール山と呼ばれるこの山々の稜線が「赤ちゃんを宿した女性が横になっている様子」とされるようになった。ピキドゥキは神聖な力を持つ女性だったと伝えられている。ピキドゥキが人間の暮らしを山に始め、そして山となり、見守る土地とされる東村。「YANBARU EXPERIENCE」で、穏やかに自然とともに暮らす東村の人々の暮らしを体験してほしい。

※東村を含む「やんばる」地域は、世界的にも貴重な自然が保存され、独自に進化した多種多様な動植物が生息。ユネスコの世界自然遺産候補地となっている地域。

YANBARU EXPERIENCE
の舞台「東村」

「やんばる」と呼ばれる沖縄本島北部、東海岸に位置する東村。総面積の約73%は森林で、その森林を源にした大小14の河川が流れる。人口はおよそ1900名、沖縄本島では最も人口が少ない地域。日本一のパイン生産量、国指定天然記念物のヒルギ林、沖縄本島最大の村指定天然記念物サキシマスオウノキなど豊かな自然を誇る村。
※「やんばるの森」は独自に進化した多種多様な動植物が生息する貴重な地域。国立公園として2016年に国より指定され、ユネスコの世界自然遺産候補地となっている。